大奥ゆかりの高砂染にふれ、穴子料理を食す

関西・オンナの美酒佳肴


【茶そば・穴子 そらまめ】高砂市 

「江戸時代、幕府への献上品として姫路藩で作られた高砂染は、江戸城・大奥で高貴な人の着物として愛用されていた…」。初めて聞いた高砂染を見たいと訪れた先で、高砂名物の穴子料理をいただいた。肉厚の穴子に地元の名酒を味わいながら、染め物談義に花が咲く。

高砂染の柄は、地元、高砂神社の「相生の松」をモチーフに、連続する松枝(まつがえ)の紋様に熊手と竹箒、鶴や扇などの吉祥紋が染められた縁起の良いもの。大奥の「御年寄・瀧山」が書き残した日記に記載されているが、100年ほど前にすたれてしまう。近年それを復活させたのが高砂染創業家の流れをくむ尾崎高弘さん。友人がその尾崎さんと食事会をするというので、同席させてもらったのが、高砂銀座商店街にある穴子料理の店「そらまめ」。ここは江戸時代に建てられた尾崎さんの生家で、2階で高砂染の着物を見ることができる。展示されていたのは、伝統的な松枝模様に蝶の吉祥紋があしらわれた複雑な型染めで、色によって雰囲気は違うがシャープな気品がただよっているように感じた。

穴子鍋

染め物談義に花が咲いたあと、奥座敷で食事会が始まった。造りや天ぷらなど、コースでいろいろ味わった中で、やっぱり穴子料理は格別だった。鍋の具は穴子とエビに野菜類。昆布と厚削混合節、さらに花鰹で風味をつけたダシがおいしくて、飲み干したほどだ。

穴子のせいろ蒸と茶そば

「穴子のせいろ蒸し」は、30年ほど前、店主の山田和成さんがこの商店街で修業をしていた頃に作っていたものを再現した。たっぷりのたれがからんだご飯とふっくらやわらかい穴子、そのバランスが絶妙だ。つるりと喉を通る茶そばで締めるまで、地元「酒商 川十」の日本酒「ご縁・高砂」を飲みながら、おおいに盛り上がった。

 



◆ MENU(税込)

【ランチ】 ミニせいろ蒸しセット 1,500円
【ディナー】 せいろ蒸しセット 2,100円
【予約限定】 ミニ穴子せいろ蒸しコース 4,300円
※茶そばセット、せいろ蒸セット、穴子重セットは当日17時まで予約可
※予約限定メニュー、コース料理は2日前までに要予約


◆ Data

茶そば・穴子 そらまめ
電話:079-443-1735
住所:兵庫県高砂市高砂町鍛冶屋町1416-1 「高砂や」内
営業時間:ランチ 11:30~13:30 (LO) ※予約優先
ディナー 17:00-21:30 ※完全予約制
定休日:火曜日

◆ Writing / 松田きこ(ウエストプラン)
http://www.west-plan.com/

 

※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため対策した上で取材・撮影しています。
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